今回は、ヒトひとりの体内に約9万kmあると言われている「血管」についてのお話です。
【血管とは】
体中をめぐる「血管」、全身のいたるところに網目のように張り巡らされ、その中を心臓のポンプの働きによってとどまることなく常に血液が流れていますね。頭部にも、肝臓や胃・大腸や膵臓・腎臓といった内臓にも、とにかく体中に血管は張り巡らされています。そして、血管はただ血液を流すためにだけに存在するのではなく、体の細胞の活動に必要な酸素や栄養素を血管を流れる血液で運び、毛細血管で体の細胞に渡すという重要な役割を担っています。例えば、膵臓の血管であれば膵臓の消化液を作る細胞やインスリンというホルモンを作る細胞を養ったりと。だから、毛細血管を含めて血管は良質であることが重要であり、かつ多ければ多いほど良いのです。
ではどうしたら良質な血管にし、血管量を増やすことができるのでしょうか。
【良質な血管とは?】
血管は「管」というだけに筋肉ではないという認識の方も多いかもしれませんが、血管も筋肉です。もちろん毛細血管も。
だから血管はそもそも収縮性があり伸び縮みします。実際に、血管の中膜には平滑筋という筋肉が取り巻いているので弾力と収縮性があり、だからこそ私たち人間は「動くことができる」とも言えます。
良質な血管とは、筋肉同様に「しっかりと伸ばしきることができる、しっかりと縮みきることができる、収縮性のあるしなやかな血管」です。例えば、硬く伸び縮みしない筋力のない血管に血液が流れていたとしたらどうなるでしょうか?血液をスムーズに運ぶことができませんね。心臓のポンプを使って血液を流しているから関係ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、心臓も筋肉です。かつ心臓の周りにも毛細血管が取り巻いています。収縮性のない血管である時、心臓の筋力も低いためポンプ機能も弱いです。心臓から出て毛細血管までの血管を動脈、毛細血管から心臓に戻る血管を静脈と言いますが、収縮性と弾力の低い血管がもたらすトラブルは不整脈や心不全、脳梗塞、癌などといった免疫系のトラブルなど多岐に渡ります。身体は全て繋がっているのです。
これらのトラブル、現代人は健康に気をかけている人でも大変多いですね。その原因も次に書いていきます。
【血管量を増やすには?】
血管は血液を流すだけでなく、体に必要な酸素や栄養素も運ぶということをお伝えしました。だからこそ良質であり、かつ多ければ多いほど良いのです。血管って増やせるの?!と思う方もいるかもしれませんが毛細血管含め、血管は増やせます。
血管は「動かせば増える」ので、スポーツでも現代ヨガ含めたフットネスでも筋トレでもジョギング、ウォーキングでもなんでも「運動」をすれば増えます。だから、現代の健康産業ではよく「運動をして血管を増やしましょう」と言っているところも多いのですが、ここで大きな落とし穴があります。血管は運動をすれば増えます。でも、動かした箇所しか増えません。球技や筋トレであれば腕や脚といった部分的な箇所です。血管の働きの目的を思い出してください。「全身にとどまることなく血液と栄養を流し続けること」です。全身にバランスよく血管が増えなければ意味がないのです。
スポーツや筋トレ、フットネスというのは全身くまなく動かすでしょうか?特定の部位であったり、部分的ですよね。頭部や心臓、内臓の毛細血管にアプローチをする動きはあるでしょうか?ないはずです。ジョギングやウォーキングはずっと頭部は位置を変えず、下半身ばかり動きます。なので頭部の血管は増えず、硬く収縮性のない血管になっていくリスクがあります。かつ、多量の酸素を必要とするので体は酸素供給力を増やすために赤血球を増やします。そうなれば血液の粘度が高くなり血栓や動脈閉鎖という循環障害のリスクもある上、肝心の白血球はほとんど動かず免疫機能も低下していくため、健康とは真逆の結果を招く場合が多くあります。
ある部分には血管が増えて、ある部分には血管が少ない、というアンバランスな血管の張り巡らせ方もまた大きなトラブルを招くのです。(かつ、スポーツや筋トレ・現代ヨガなどのフットネスでつくる血管の質は硬く収縮性のないものになります。この理由もまたどこかでお伝えしていきます)
だから、健康に気を使っている人も現代人は心不全や心筋梗塞、免疫系のトラブルを起こすのです。特に今の時期であればヒートショックなんかもその一つかもしれません。現代の間違った体づくりが大きなトラブルを招いていることに多くの人がいち早く気づけたら、救える命はたくさんあると思うのです。
アンバランスがもたらすもの、それは心身の不調やトラブルです。
【全身にくまなく良質な血管を増やす方法】
では、どんな方法であれば全身にバランス良く良質な血管をたくさん増やすことができるのか?
それは、源流のハタヨーガの動きと呼吸法です。スポーツでも筋トレでもストレッチでも現代のヨガでもありません。ゆったりのんびりとした優しいヨガをしても、ハード系のヨガをしても良質な血管と望ましい血管量を作ることはできません。
当教室のレッスンへご参加いただいている皆さまはご存知の通り、源流のハタヨーガは「これでもかっ!?」というくらい全身くまなく動かします。頭部、臓器の隅々までアプローチをしていきます。無駄に動いているのではなく、もちろん理由はこれだけではありませんが「血管」も視野に入れて動いているのです。
【健康づくりに関する情報】
現代は情報化社会です。欲しい情報は簡単に手に入れられる反面、簡単に信じてしまいやすいということもあります。
健康づくりに関する情報も山ほどありますが、情報は多少参考にする程度で、一度全身を見つめて自分で考えてみてください。身体のつくり、身体の中のそれぞれの働き、筋の素材、筋肉の作り方、血液の種類、骨格などなど…そしてそれらは全て繋がっていること。人間の体はそんなに単純につくられていません。誰が作ったのか知らないけれど、とんでもなく高性能で最高の宇宙の傑作だとつくづく思います。常識なんて出鱈目が多いです。「単純で、すぐに目に見えた結果が出ること、儲かること」をメインにした情報が多く出回っているように思います。情報や誰かの言葉は話半分に、まずは自分で考えて、健康をつくる方法を選んでいきたいですね。